オッス!オラ吐瀉夫!
僕が人生で最初に買ったマンガはONE PIECEでした。
小学校5年の頃だったと記憶しています。
マンガ好きな兄がいたからか、当時はマンガ嫌いな少年でゲームばっかりしていました。
ところが、床屋さんに積んであった最新号ジャンプでONE PIECEを偶然見かけて、衝撃を受け、その後はひたすらONE PIECEを追いかけ、将来の夢が漫画家になるほどに。
(何故か現在はゲーム業界で働いていますが)
ジャンプのONE PIECEの読者参加企画に参加したりもしたし、アニメが始まればサントラも全部買い、アニメージュや新聞などのメディアに掲載されたら必ず購入しスクラップしていました。一番やばい時期はONE PIECEの単行本を3冊ずつ集めていました。
僕がエンタメの世界にのめり込んだキッカケをくれたのはONE PIECEなんです。
そして、30歳を超えた現在でも電子版の週刊少年を定期購読しています。
ジャンプと共に歳を重ねた元少年です。
心は少年だけどね。
ONE PIECEと出会ったから漫画家を志し、ネットで創作活動していた頃に嫁さんと知り合い、初めての彼女が出来て、そのまま結婚しました。
業界は異なるものの、今でもゲームというエンタメに関わりながら、家族を支えるために、それを仕事として日々生きています。
話は少し変わりますが、Twitterで話題になった『100日後に死ぬワニ』が最初から商業コンテンツだったことに、とても裏切られた気持ちになった人達がいました。
僕はまったく追いかけていなかったし、気持ちに共感できていませんでした。
しかしながら、今回こんなことが起きました。
概要はこんな感じ。
- SNSなどで複数のアーティストがONE PIECEの二次創作作品を発表
- それらをONE PIECEの非公式企画「BUSTERCALLプロジェクト」と名付けて展開
- 実は集英社の企画によるもので、ステマだった
正直、僕はどんな作品でもそうですが、アニメだろうが二次創作だろうが、作者ご本人以外が筆を取ったものは、基本的に別物として捉えています。
※そのため、あんまり原作マンガ有りのTVアニメは避けがち。
でも、それらを楽しむのは人の自由だし、それで原作にも還元されて、作者ご本人の生活が潤い、次の作品に繋がるなら万々歳なわけです。
ただし、今回の件について僕は、日本一のマンガであるONE PIECEを穢す行いだったなと、悲しく感じています。
ONE PIECEは王道少年漫画であり、ONE PIECEは日本一の漫画であり、単一作家によるコミックシリーズというくくりなら世界一の漫画である(残念ながら9割以上は日本国内の発行だが)。
そして週刊少年ジャンプは不動の揺るぎない日本一漫画雑誌であり、それは発行部数が落ち込んだ現在でも変わらないと思っている。
僕は、ONE PIECEに関わるジャンプ編集部は日本一の漫画編集部だと信じている。
毎週、ワクワクとドキドキを届けてくれて、心揺れ動くことの少なくなった30代男性に感動を忘れさせないでくれる人達だ。
作者である尾田栄一郎先生と共にONE PIECEを作り上げてきてくれた人達だ。
そう信じていた
それが、今回のこの偽造で大きく揺らいでしまった。
絶対的王者が姑息な手を使い、話題となろうとした。
確かに鬼滅の刃の勢いに最近負けているのは明らかだ。
しかし、それでも王者であるONE PIECEは堂々としていて欲しかった。
何よりONE PIECEを作り、育て上げてきたジャンプ編集部には、ONE PIECEを信じていて欲しかった。
公式企画だろうが非公式企画だろうが、ONE PIECEをリスペクトしている人達はたくさんいて、企画の根幹であるONE PIECEへの愛自体は変わらないだろう。
非公式だから、非営利で協力しているクリエイター達がONE PIECEへの愛を感じられる企画とでも思っていたのか。
しかし、王者であるONE PIECEとそれに関わるジャンプ編集部には、純粋に「良い作品」を届けて、勝負してほしかった。
この「BUSTERCALLプロジェクト」に携わっている人達は、著名なクリエイター達と聞いている。
そんな素晴らしいクリエイター達が参加してるんなら、その人達が生み出す作品の「良さ」で勝負してほしかったなと。
今回の件で、ONE PIECEを作り上げている船の中にいる編集部が、裏切り者の黒炭カン十郎だったんだなと感じた。
久しぶりにファンブックを引っ張り出して、ピュアな気持ちを取り戻そうと思う。