オッス!オラ吐瀉夫!
今日の夜、仕事帰りに自転車をゆったりと漕いでいた時のこと。
眼の前にタバコを吸いながら歩いている男がいたんですよ。
キャップを被って、ゆったりしたデニムパンツにジャンパー。
眉と同様に細く鋭い目つきにお兄ちゃん。
地元の不良の先輩を思い出すような雰囲気で、懐かしさもあったが、今の僕のほうが歳上だろうなと思った。
その道は路側帯が狭く、僕は歩道を走っていた。
少し幅が狭くなる部分を僕とその兄ちゃんが挟む形で向き合っていた。
一瞬、僕がスピードを落としたものの、その兄ちゃんは幅が狭くなる道に差し掛かる前に立ち止まり、少し横に避けて頭を下げてくれた。
僕も頭を下げて、すぐにそこを通り過ぎて道を明け渡した。
歩きタバコがその区域でNGかどうかは知らないけど、マナーとしては良くないのかも知れない。
でも、こうやって頭下げて道を譲ってくれる優しさも持ち合わせている。
人って完全には正しく生きられるわけじゃないけど、正しくあろうとする部分も持ち合わせていて、醜く美しいところが好きだな、と普段から僕は思っている。
それだけになんだかとっても「人間ってやっぱり素敵だな」と嬉しい気持ちになれた。
僕も人をもっと愛し、優しく生きたいと思えた夜だった。