ルッキズムって何だ?容姿に恵まれない男の視点で語ってみる

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どうも!オラ吐瀉夫!

突然ですが皆さん、最近よく耳にする「ルッキズム」って言葉、ご存知です?

なんかこう、意識高い系のカフェでMacBookをパチパチ叩いてる人がドヤ顔で使ってそうな横文字ですが、調べてみたら「見た目で人を判断する考え方」って意味らしいんですよ。英語の「looks(外見)」と「ism(主義)」をくっつけた造語で、日本語だと「外見至上主義」なんて訳されたりもします。

まあ、小難しく言ってますけど、要は「イケメン・美女が得する世の中」ってことですよ!知ってた!生まれた時から知ってた!

SNSを開けばキラキラしたインフルエンサー、テレビをつければ見目麗しい俳優さんたち…。いや、美しいものを見るのは好きですよ?僕も美しい鉱物とか、機能美あふれるガジェットとか大好きです。でも、人間の美しさに関して、あまりにもソッチ側(神に選ばれし造形を持つ側)の人間ばかりがもてはやされると、正直こう…胸焼けしません?

で、何を隠そうこの僕、吐瀉夫のように「神様が造形にかけたコスト、明らかに低いな?」「おっと、予算不足かな?」と感じる側の人間からすると、このルッキズムってやつが、人生のあらゆる局面に影を落としてくるわけです。

恋愛、仕事、なんならコンビニの店員さんの態度にまで、じわじわと、しかし確実に影響してくるんですよ(`;ω;´)

今回はそんな「容姿に恵まれない男」代表(自称)として、このどうしようもない外見至上主義社会で感じている不条理と、僕なりに見つけたささやかな抵抗、その生存戦略について、本音で語ってみようと思います。

全国の同志たちよ、ハンカチの準備はいいか? いや、握りこぶしを温めておけ!

 

ルッキズムの最前線「恋愛市場」。男が直面する残酷な足切り問題

絶望する男性

「内面を見て」って言うけど、まず外見で足切りされるんだよなあ…。内面(データ)にアクセスする前の「読み込み画面」で弾かれてるんだよなあ…

まず、僕らの心を最もえぐってくる戦場、そう「恋愛」の話からいきましょうか。

もうね、ここはルッキズムの無法地帯。ジャングルですよ。弱肉強食。イケメンというライオンが闊歩し、僕らみたいなのは物陰で息を潜めるハイエナ…いや、ハイエナはまだ強いか。ミジンコか、プランクトンか。

特にマッチングアプリなんて、ルッキズムの残酷さを可視化する最悪の発明品じゃないです?(いつもお世話になってますけども!矛盾!)

こっちはさ、なけなしのユーモアを絞り出し、自己PR文を書いては消し、推敲(すいこう)を重ね、趣味の欄に「映画鑑賞(年間100本以上!サブスク4つ契約!)」とか「料理(得意料理はスパイスカレー!)」とか書いて、どうにかこうにか人柄をアピールしようと必死なわけですよ。

でもね、シュッとした塩顔イケメンが、自己紹介文「よろしくです。」の一言と、友人の結婚式で撮ったっぽい奇跡の一枚(だいたい画質粗め)を載せただけで、「いいね!」を総ナメにしていく。なんなんだあの現象は。市場のバグか?

僕の渾身のプロフィール、誰か読んでくれよ!文学フリマに出せるレベルで練り上げた自己紹介文が、誰の目にも触れることなく、0.1秒のスワイプで「ナシ」の箱に放り込まれてるんだぞ!

「いやいや吐瀉夫さん、恋愛は内面が大事ですよ」

聞こえます。その正論、耳にタコどころかイカもクジラもできてます。その通りなんです! 長く付き合うなら絶対に性格や価値観が大事。それは僕だって100も承知なんです。

でもね、そもそもその内面をプレゼンする機会、その「面接会場」にすらたどり着けないのが、我々「非イケメン」の現実なんですよ(`;ω;´) 書類選考(=写真)で全部落とされてるんだよ!

こういう話をすると、「男は見た目とか気にしすぎ」みたいに言われることもありますけど、そんなことはない。

国際NGOプラン・インターナショナルの調査によると、容姿に悩んだことがある男性は74.2%にも上るそうです。ほら見ろ!4人中3人は悩んでんだよ!

引用元:ルッキズム(外見至上主義)を考える 「ユースを対象にした容姿に対する意識調査」 報告書 - プラン・インターナショナル

同調査では、男性が容姿に関心を持つきっかけは「友人との会話」(41.0%)がトップだそうで。これも分かりすぎる。僕も学生時代、友達に「お前って、まあ…味のある顔だよな」って言われたこと、まだ根に持ってますからね!味ってなんだよ!昆布か!スルメか!

容姿に恵まれない男は、恋愛というゲームのチュートリアルで、最初のスライムにすら勝てずに追い返される。スタートラインが50mくらい後ろにあるどころか、そもそも競技場に入れてもらえない。そんな理不尽さが、この恋愛市場には満ち満ちているのです。

 

仕事でも逃れられない「ハロー効果」という名のルッキズム(えこひいき)

オフィスでふざける男性

能力は同じはずなのに、なぜかアイツのほうが評価される…なぜだ…。アイツが笑うと会議室の空気が浄化される気がする…なぜだ…

「まあ恋愛は仕方ない。所詮は本能の世界だ。実力主義の仕事で成果を出せばいいさ」…なんて思ってた時期が僕にもありました。

甘い!甘すぎる!カルピスの原液くらい甘い!なんならガムシロップ一気飲みするくらい甘い!

仕事という一見フェアな土俵にも、ルッキズムの魔の手はしっかりと、ヌルっと伸びてきているのです。

皆さんの周りにもいません? 爽やかなイケメン(あるいは笑顔が素敵な美女)ってだけで、「なんか仕事できそう」「誠実そう」「プロジェクト任せても安心」みたいな謎のオーラをまとってる人。

あれ、心理学で「ハロー効果(Halo Effect)」って言うらしいですよ。日本語だと「後光効果」とも。一つの目立った特徴(この場合は「外見が良い」)に引っ張られて、その人の他の評価(性格、能力、知性など)まで歪められてしまう(だいたい良い方向に)現象のことです。

参考:ハロー効果 - グロービス経営大学院

まさに「イケメン」という後光(ハロー)がさして、能力値に常時プラス補正がかかってる状態。こっちは素のステータスで、泥臭くエビデンス揃えてプレゼンしてるのに、向こうは「大丈夫っすよ!」の一言で上司の信頼を勝ち取っていく。んなもん勝てるか!こちとら常時デバフ(能力低下効果)かかっとんじゃい!

僕も昔、接客業のアルバイトをしていたことがあるんですが、忘れもしません。あるお客様(ちょっと怖めのご婦人)に、商品の説明をしていたら「君、なんか頼りないねぇ。説明が要領を得ないわ」って言われたことがあって。

その横で、ただニコニコ立ってるだけで「あら、そっちの彼は爽やかねぇ。分かりやすいわ」と褒められていた同期のイケメン同僚…。おい!そいつまだ商品のスペック覚えてねえぞ!スキルは僕の方が上だったはずなのに!この理不尽さ、どこにぶつければいいんですか!

笑い話みたいに言ってますけど、これって結構深刻な問題で。とある調査では、なんと人事担当者の約7割が「証明写真の印象が合否に関係する」と回答したなんてデータもあるくらいです。

参考:ルッキズムは、なぜ生まれる? データが示す「外見至上主義」のリアル | TABI LABO

つまり、僕らの知らないところで、能力を測られる前に「見た目」というフィルターでふるいにかけられている可能性があるわけです。履歴書という名の「書類選考」で、またもや僕らは足切りされてるかもしれないんですよ。恐ろしすぎるだろ…。恋愛も仕事も、スタートダッシュで差をつけられすぎなんだよ…。

 

削られ続ける自己肯定感…!ルッキズム社会を「男」が生き抜くための生存戦略

愛を求める男性

鏡を見るたび、心のHPが1ずつ減っていく。SNSを開けばクリティカルヒットを食らう。

さて、恋愛でもダメ、仕事でもハンデあり。こんな仕打ちを四方八方から受けていると、当然メンタルにもきます。

そう、「自己肯定感」です。僕らの心のライフライン。これがね、面白いように削られていく。まるで高速道路のETCレーンを時速100kmで通過するみたいに、ビュンビュン残高(自己肯定感)が減っていくんです。

鏡を見るたびに「ああ、ここのホクロがなければ…」「もう少し鼻が高ければ…」「エラが張ってなければ…」なんて、ないものねだりの無限ループ。SNSで同年代のキラキラした投稿(結婚しました!、昇進しました!)を見れば、「それに比べて俺は…」と勝手にダメージを食らう。

僕の場合、特に学生時代に容姿をからかわれた経験が、未だに心の奥底に澱(おり)のように溜まっていて。当時は笑ってやり過ごしてましたけど、あれ、全然消化できてないんですよね。

だから大人になっても、初対面の人と話すときに無意識に一歩引いてしまう。「どうせ俺みたいなのが話しかけても、内心バカにしてるんだろ」みたいな、ひねくれた防御姿勢を取ってしまう癖が抜けません。ああ、我ながら面倒くさい。

ルッキズムの本当に厄介なところは、自分の価値を「見た目」という一つの、しかも自分ではコントロールしにくい「ものさし」に依存させてしまう点です。

だから、いくら内面を磨こうが、仕事で成果を出そうが、趣味を極めようが、「でも、どうせ俺はブサイクだしな…」という思考が、最終防衛ラインで全部打ち消しに来る。ラスボスが強すぎる。

じゃあ、どうすりゃいいんだよ!死ぬしかないのか!

いやいや、まだ早い。僕なりに見つけた、このクソみたいな(失礼)ルッキズム社会を生き抜くための、ささやかな生存戦略がいくつかあります。

  1. 見た目以外の「評価軸(土俵)」を自分で作る
    これが一番大事です。僕の場合はこのブログがそうですね。文章を書く、面白いことを考える、役立つ情報をまとめる。そういう土俵なら、イケメンとも戦える(はず)。他にも筋トレで身体を鍛えるとか、資格を取るとか、楽器を猛練習するとか、なんでもいいんです。「顔はアレだけど、俺にはこれがある」っていう柱を一本立てる。その柱を太く、強く育てるんです。
  2. 小さな「できた!」を毎日積み重ねる
    削られた自己肯定感は、小さな成功体験でしか補修できません。「今日は昨日より腕立てが1回多くできた」とか。「ブログのPVがちょっと伸びた」とか。「積んでた本を10ページ読めた」とか。本当に小さなことでいい。その「できた!」っていう感覚が、削られたHPをポーションのように少しずつ回復させてくれるんです。
  3. SNSと物理的に距離を置く(デジタル・デトックス)
    これはマジで効きます。他人のキラキラした生活は、編集され、加工された「予告編」みたいなものです。あなたの人生とは一切関係ありません。見ると病むなら、見ないのが一番の薬です。アプリを消す、通知を切る。それだけで、無駄な被弾はかなり減らせます。

まあ、言うは易し行うは難し、なんですけどね。でも、やらないと本当に心が死んじゃうから。ルッキズムに殺されないための、これはサバイバル術なんです。

 

もう個人努力じゃ無理ゲー? 「男の悩み」を軽視する社会に物申す!

変革を訴える男性

俺たちの声よ、届け!「しんどい」って言わせろ!

ここまで個人の努力(生存戦略)について話してきましたけど、正直、限界ありますよね。

だって、この「見た目が良い方が得」っていう空気を作ってるのは、僕ら個人じゃなくて、社会全体なんだから。

テレビや広告では、相変わらず画一的な「美」の基準(細い、目が大きい、鼻が高い…)が押し付けられてるし、学校で「人の価値は見た目じゃない」って本気で教えてくれる先生がどれだけいるのか。

そして、僕が特に声を大にして言いたいのが、「男性が抱えるルッキズムの悩み」って、まだまだ軽視されがちじゃないですか?

女性の容姿に関する悩み(体型やメイク、エイジングなど)は、社会問題として広く認知されつつあり、それ自体は素晴らしい進歩だと思います。でも、男が「モテたい」「イケメンになりたい」「低身長がコンプレックスだ」って言うと、「男のくせに」「中身で勝負しろよ」「そんなこと気にするなよ(笑)」みたいに、一蹴されがち。

いやいや、男だって悩むわ!傷つくわ!

「男は強くあるべき」「男は見た目より中身」という、別の呪い(バイアス)によって、僕らの「しんどさ」が見えにくくされてるんじゃないかと思うんです。

僕みたいな人間が、もっと気軽に「見た目で損しててしんどい!」って言える場所や空気が増えないと、この問題は解決しないと思うんですよね。

まとめ:結局、僕らはどう生きればいいのか

ルッキズム。外見至上主義。

それは、容姿に恵まれない男にとって、恋愛、仕事、自己肯定感、人生のあらゆる場面に立ちはだかる高い、高い壁です。

僕の実体験から言っても、この外見至上主義の世の中は、本当に生きづらい。不条理なハンデ戦を強いられている気分です。

人間の本能的に、美しいものに惹かれるのは仕方ないのかもしれません。でも、その一つの価値観だけで人の優劣が決まってしまったり、スタートラインが不公平になったりする社会は、絶対におかしい。

だから、僕らは戦い続けなきゃいけないんだと思います。

見た目以外の武器を磨き、自分を認めてあげる努力を続ける。そして、社会に対して「見た目だけで判断するの、もうやめねえか?」「男だってしんどいんだぞ!」と、小さな声でも上げ続ける。

そうすれば、ほんの少しずつでも、世界は変わっていくかもしれない。

…と、まあ綺麗にまとめてみましたが、本音を言うとですね、

 

だからもっと俺に優しくして下さい!!(`;ω;´)

あと、僕の内面(このブログとか)をもっと見てくださいお願いします!!(`;ω;´)

 

現場からは以上です。

 

現代思想2021年11月号 特集=ルッキズムを考える

現代思想2021年11月号 特集=ルッキズムを考える

  • 作者:西倉 実季,堀田 義太郎,田中 東子,トミヤマユキコ,中村 桃子,広瀬 浩二郎,森山 至貴,山田 陽子
  • 青土社
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