20代の若者の自己評価と上司評価のギャップ

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どうも!オラ吐瀉夫!

最近、仕事でちょっと気付いたことがあって、今日はその話をしようと思います。

先日、知り合いの会社で働く20代の子から、キャリアの相談に乗ってくれって頼まれたんですよ。彼は優秀で、仕事もそれなりにこなすんだけど、どうにも評価が伸び悩んでるらしい。話を聞いていると、彼曰く「自分は正しくやっているはずなのに、上司が評価してくれない」と。自信に満ちた、というか、むしろ頑ななプライドを感じたんですよね。

 

僕らの若い頃、特に僕なんかは胃を痛めることが仕事みたいなもんで(笑)、上司に「お前はダメだ」って言われたら、とりあえず「すいません!」って言って、影でふざけんな!って思っても、次の日にはまた食らいつく、っていう「他者評価ありき」の文化で生きてきたじゃないですか。

 

でも、彼ら今の若い子たちは、どうも「自己評価の高さ」「傷つくことへの極端な恐れ」がセットになってる気がするんですよ。その相談に乗ってて、ふと気付いたんです。これ、個人の問題じゃなくて、世代と組織の構造的なズレなんじゃないか?って。

で、社畜ブロガーとして、僕なりにこの「若手の自信と昇格停滞」の現象を理論化してみました。名付けて「若手のプライドと昇格停滞モデル」です!


👑 現象の理論化:「若手のプライドと昇格停滞モデル」とは?

このモデルは、一言でいえば「自分を肯定したい若手の価値観」と「組織に同化を求める旧来のシステム」がぶつかっている結果、昇進の壁が高くなっている、という話です。

 

1.世代背景:自己肯定感教育が生んだ「内的基準」の強さ

アイ・アム・ナンバーワン

僕の相談相手の子もそうでしたが、今の若年層は「自己肯定感を高めよう」という教育を受けて育っています。これは、日本の子どもの自己肯定感が低いという調査結果(内閣府など)を受けて、国(文部科学省など)が自己肯定感を育むことの重要性を強く打ち出していることが背景にあります。

素晴らしいことなんですが、これが会社組織に入ると、評価軸のズレ(価値観の非対称性)を生みます。

 

彼らは、「自分を肯定できる=成長している」という内的基準を持ちやすい。でも、会社で求められるのは「他者評価(上司や成果)による成長」という外的基準です。

▶ 結果:自己評価が高い状態(過度な自己評価)が形成されやすいんです。

僕が相談に乗った子も、まさにこの「優越の錯覚」に近い状態だったのかもしれません。僕らが若い頃は、外部からの厳しい評価でこの錯覚を無理やり修正されて胃が痛くなる、ってパターンでしたけどねww。

(※この背景にある自己肯定感教育については、文部科学省の資料がその重要性を提言しています。)

 

2.心理的防衛:挑戦しないことで「自己更新力(経験から学ぶ力)」が低下する!?

失敗も楽しめると良いなぁ

相談に乗った彼は、上司のフィードバックに対して、常に「でも」「だって」が多かったのが印象的でした。これ、彼らがメンタルダメージを避ける傾向が強いことの表れだと僕は見ています。

今の若者は「心理的安全性(心の安全)」がないと挑戦しない傾向が強い。これは「失敗=悪」という社会のプレッシャーや、承認欲求の強さから来る「失敗して傷つくのは絶対に嫌だ」という心理的防衛なんです。

 

それが「挑戦・失敗経験の不足」につながり、結果的に自己更新力(learning agility:ラーニングアジリティ)、つまり「経験から学び、自分をアップデートする力」が低下します。僕も昔、無鉄砲に新しいプロジェクトに手を出しすぎて、無駄にボタンを押してしまうようなミスを繰り返しましたが、その度に「二度とやるか!」と反省して、自分をアップデートしてきたわけです。

▶ 結果:「失敗を恐れて守りに入り、キャリアの初期で停滞」する。

挑戦しなければ、大きな成功も昇進も掴めませんからね(笑)。

 

3.組織構造との不整合:「文化的適合理論(組織へのなじみやすさ)」の問題

従来の日本企業は、上司のフィードバックを素直に受け止め、団体の中で揉まれる「同化型昇進モデル」が主流でした。

 

しかし、若手は“個の尊重”や“心理的安全性”を優先します。彼らの価値観は、組織文化への適応を重視する文化的適合理論でいうところの"不適合"を起こしやすいんです。

組織側は、彼らを「扱いづらい部下」「組織のルールを理解しない」と見なし、評価を後回しにする。結果、上に上がる人材が限られ、昇格競争は旧世代が占めるという現象が起きるわけです。

文化的適合理論(組織へのなじみやすさ)では、組織文化に合う人材ほど、定着や満足度が高いとされています。つまり、合わない若手は自然と昇進のレールから外れやすいんです。

 

 


⚡ 理論モデルの衝突:「優越の錯覚」と「組織へのなじみやすさ」



僕の相談に乗った彼が抱えていた問題は、「優越の錯覚(過度な自己評価)」という個人内の強い肯定願望と、「文化的適合理論(組織へのなじみやすさ)」が支配する組織構造の衝突によって説明できます。

 

要素 若手世代(相談相手) 組織側(僕らの世代)
評価軸 自己肯定・心理的安全性 成果・上下関係
行動原理 傷つかない・無理しない 責任を取る・限界を超える
成功パス 個の成長・SNS的承認 出世・組織内権限拡大

 

このズレ(ギャップ)が大きいほど、会社の中で「昇進回避世代」が増える。

つまり、僕が「上に上がってこないだろうな…」と感じたのは、実際に組織構造的にそうなっている面があるってことです。

 

僕ら旧世代は、胃を痛めながらも「会社で偉くなること」に価値を見出してきましたが、彼らは違います。会社の提示する成功パスが、彼らの「自己肯定感」や「幸福観」と合致していない。だから、そのパスを歩むための文化的コストを払いたがらないんです。

そして最終的に、この構造は組織にとって中間管理層の“縮退”リスクを高めます。誰も責任の重いポストを望まない結果、組織の持続的競争力が弱まる可能性があるわけです。ふぅ、我ながら、ずいぶん真面目に理論化しちゃいましたね!

 

僕の経験と、ちょっとした社会心理学の知識が、誰かのキャリアを考えるヒントになれば嬉しいです!現場からは以上です!

 

 


引用・参考元

【自己肯定感教育・組織文化に関する参考】

  • 文部科学省が提言する、自己肯定感を育むことの重要性、また、自己肯定感と他者評価に関する考察。
  • (補足)「優越の錯覚」や「文化的適合理論」といった概念は、上記の資料にある「自己評価・自己受容」や「他者との関係」の議論の基盤となっており、広く学術分野で参照される概念です。

胃もたれ沢 吐瀉夫より愛を込めて。
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