オッス!オラ吐瀉夫!
ゲーム業界で働く30代!
最近はゲーム業界を目指す若者が増えてるそうで、自分もゲーム会社の人間として専門学校とのアポが増えている。
Twitterでもゲームプランナーを目指す専門学生、大学生向けのツイートをよく見かける今日このごろ。
でもね、自分は25歳でこの業界に入ったタイプなんだよね。新卒でもないし、バイトで。
ゲーム業界に入る人って、いわゆるCS(カスタマーサポート)、QA・デバッガーっていう最下流の職種が一番人数が多く、恐らくこれは新卒より未経験中途が圧倒的。
そしてそういう人向けに、自分の経験が一つの道筋として面白い情報にもなるのかなと思ったので、綴ってみようと思う。
もし、ゲーム業界に飛び込んでみたいけど、経歴や年齢を理由に臆している人がいれば、読んでみてもらいたいと思う。
派遣社員からアルバイトのデバッガーに転職
25歳の当時、自分は既に何度も転職→バックレを繰り返し、酷い人生を送っていた。
仕事なんて、生きていくために仕方なくやってるだけで、面白くねーし、気に入らなきゃすぐ辞める人生。
以前ほかの記事でも書いてたけど、自分がゲーム業界に入る前の職歴はこんな感じ…
(自分で今振り返って見てみてもこれは酷い…)
- 高卒で塗料会社に就職する:1年この仕事を続けるのが嫌になってバックレて退職する
- コンビニで深夜のアルバイトを始める:1年
この頃、同時にイラストのお仕事をしたりして漫画家を目指していた…が飽きる(笑)
そしてコンビニで一年も働くと、流石にそろそろちゃんと働こうと決意する- 故障した携帯電話の解析業務担当の派遣社員になる:3年
ここが厄介で、派遣元が変わったり、派遣先が変わったりで所属が3回ほど変わり、同じ仕事をしてるのに履歴書上では3回転職した内容になります(笑)
長く勤めたが、25歳間近になり
正社員にならなきゃいけないんじゃないかと焦り、
退職し転職活動を始めるが、なかなか仕事が決まらない- 繋ぎで飲料メーカーで製造担当の派遣社員になる:三か月
三交代制が辛くて三か月くらいでバックレる- 繋ぎで住宅メーカーで組み立て業務担当の派遣社員になる:3日
あまりにも肉体的疲労が凄くて3日でバックレる- 某インターネットインフラ企業コールセンターの派遣社員になる:2ヶ月と3日
まさかの新卒と一緒に座学を2カ月みっちり受け現場に配属。
人見知りでクレーマーの相手が辛くて転職を検討していたころ、
すぐ近くのゲーム会社の求人を発見し、すぐさまバックレる
とまぁ、こんな流れ。
6番の某インターネットインフラ企業コールセンターの仕事を辞めたいなーと思っていた時に、求人フリーペーパーでゲーム会社の求人を見つける。
「未経験可」の言葉に強く惹かれたのを覚えている。
応募したところ大規模採用だったためか、5人単位でのグループ面接だった。
そのまま採用され、配属されたのはリリースを数カ月先に控えたオンラインMMO RPGのデバッグチーム。
出来ればプランナーになりたかったが、アルバイトのデバッガーとして採用された。
ネトゲをしない自分には全くわからない世界だったが、同期のバイト達がネトゲ廃人に片足を突っ込んでいるような人ばかりで、色々専門用語を教えてもらった。
しかしながら、ゲームの知識でリードされてる分、積極的にいろんな業務にチャレンジして頑張ったっけ。
ただし、そんな頑張りも虚しく、リリース直後から売上が芳しくなく、プロジェクト人員の大幅削減が必要となり、デバッガー歴半年で異動することになった。
スポンサーリンク
アプリのCSチームに異動
入社した会社はゲームがメインの会社ではあったが、他にWEBメディアや様々なアプリを開発していたのもあり、当初リリースされたばかりのチャットアプリのカスタマーサポートチームに異動となった。
ここでの経験はなかなかに辛かった。
メール対応なんか好きでもないし、テンプレ対応のつまらない作業。
さらに追い打ちをかけたのが、速度重視のテンプレ返信が苦手という自分の知らなかった一面。
周りの同僚誰一人にもメールの対応件数で勝てない。ノルマもこなせない。
自分の弱みが分かったから、自分の強みで戦おうと思った。
なぜ対応件数で勝てないのか考え、調べた。
どうやら自分はユーザーのメールの文面をしっかり読み、内容を分解して、理解することに時間をかけているようだった。
スポンサーリンク
同僚の対応を調査すると、ユーザーの問い合わせ内容の表面をすくって、当てはまるテンプレを返しているものの、よくよく読んでみると違うことをユーザーは言っていて、結局またユーザーは返信してくるという無駄なコストが発生していることが度々起きていることを突き止めた。
つまり自分は、ユーザーに対して正しい対応を行う精度が高かった。
それを武器にしようと思った。
上司に報告した結果、チームメンバーの対応品質チェックと新入社員の育成・研修担当になった。
この自分の強みで戦うことは、効率のいい貢献に繋がり、活躍できて評価されるという一つの成功体験として今も意識している。
しかしながら、ここで大きな問題にぶち当たる。
そもそもゲームの仕事がしたくて入ってきたのに、ゲームのCSですらないためモチベーションは皆無だ。
徐々に出社する足が鈍り、週に2日くらいしか出社しないようなクズバイトに成り下がった。
ゲーム事業部への異動希望も何度も出したが、急成長するアプリを運営するチームメンバーをわざわざ異動させる理由もなく、却下された。
しかし、ゲーム事業部とアプリ事業部が分裂することになり、アプリ事業部は新会社に移ることになった。
このタイミングをもちろん逃すわけがなく、自分はここでゲーム事業部に戻ることに成功する。
1年半にも及んだカスタマーサポートからの卒業だ。
いや、ってかあんなに会社サボってたのにホントなんでクビにならなかったんだろう(笑)
出社しなさすぎて月5万とかだったよ給料。
小さいオンラインゲームのディレクター兼プランナーになる
念願のゲーム事業部へ戻ると、異動先として提案されたのは小さいチームではあるもののオンラインRTSゲームの運営チーム。
ポジションはディレクター兼プランナーだった。
ついに企画職、しかもいきなりディレクター!?という願ってもいない話に飛びついた。
これが地獄の始まりでもあったのだが…(涙)
ディレクターとは言っても、実作業するプランナーは他にいないのでプログラマー、デザイナー、デバッガーの各担当と連携・作業をディレクションしながら、自身で企画書・仕様書・マスタを作っていく必要がある。
もちろんロードマップの設計、戦略カレンダー(施策スケジュール~売上目標・見込み)の設計もやる必要がある。
企画職経験無し、CS1年半やったけどゲーム業界歴で言うとデバッガー歴半年だけの自分にはかなり大変な仕事だった。
毎日24時近くまで残業だったものの、本当にたくさんの事を学べた。
新機能や新型イベントの企画・仕様・実装も経験出来て、この後にも色々と活かせるいい勉強が出来たと思う。
スポンサーリンク
うつ病になり退職
ディレクター兼プランナーと業務を始めて10ヶ月ほど経った頃、体にある症状が表れ始めた。
朝に起きれない、夜に眠れない。
会社に行こうとすると動悸がする。
病院で診断されたのは、うつ病だった。
2週間休職して、復帰したもののすぐに再発し、当時バイトだった自分は(バイトなのにディレクターて)契約期間の更新をしないと上司から言い渡された。
理由は分かっていた。
ディレクター兼プランナーとして頑張ったものの、元々コミュ障だった自分はディレクター/プランナーに必要なコミュニケーションがクソ以下だったからだ。
チーム内で先輩に当たる人達との関係性を良好なものにするための努力をせず、ひたすら無言で毎日作業をしていた。
「結果さえ出せば良い」
そんな驕り高ぶった考えで、朝から帰りまで挨拶もせず、一言も喋らずに仕事をしていた。
40度の熱が出た日も朝イチで点滴打って出社して仕事をした。
タスクをこなすことが仕事だと思っていた。
そんな仕事の仕方をしているヤツに、人はついてきてはくれない。
長寿運営タイトルで、複雑化した仕様。PC向け戦略ゲームゆえの難解なバトルシステム。ろくに理解できていない新人の自分はもっと周りからアドバイスを受けるべきだった。
新しい企画を考えても、いつも言われるのは「意味が分かりません」の一言。
理由を聞くこともせず、ゼロから企画書を作り直す自分。
そんな事を繰り返し、開発スケジュールが遅れ、チームメンバーに休日出社をさせてしまう未熟なディレクター。
自分のまいた種で、自分を追い込んで、それでうつ病になったという…。
当時の自分をぶん殴りたいですマジで(笑)
そうやって、迷惑を掛けるだけ掛けて、産まれて初めて身をおいたゲーム会社を辞めることになった。
スポンサーリンク
フリーのプランナーとして転職
うつ病の原因は当時の仕事、組織・人間関係だったため、1ヶ月ちょっとの無職期間で回復。
断薬もスムーズに出来て、転職活動を行ってく中で1年弱のディレクター兼プランナーの経験を評価してくれた会社が多く、3社で内定をもらった。
その中で、某有名IT企業から2ヶ月前に立ち上がったばかりの子会社でプランナーとして仕事をすることにした。
雇用形態は個人事業主。バイト時代よりグンと給料は増えた。
この会社を選んだ理由は、周りの人間と比較して相対評価せず、絶対評価される環境で頑張りたかったから。
0からスタートしたかったからだ。自分に自信がなかったからだ。
前職の驕りを捨てて、素直に愚直に真摯に働こうと決めた。
入社すると立ち上がったばかりの子会社で役員以外は自分だけ。
オフィスは間借り、0からのスタートに丁度いい。
親会社のスマホゲームの運営の手伝いが最初の仕事。
スマートフォン向けソシャゲのイベント担当プランナーとしてアサインされた。
この会社が自分を大きく成長させてくれた。
自分のメンターである取締役から色々と仕事を教わった。
ゲーム運営における取締役が担当していた業務があれば全て「それ、自分にも出来ますか?教えて下さい。次回から自分がやります」
そう言って奪い取っていった。
深夜残業、徹夜、朝飯を食う時間も取締役と二人で何度過ごしたか。
飲み会が終われば二人でオフィスに戻り仕事をした。
仕事が楽しくて楽しくて、たまらなかった。
任せてくれる、信じてくれる、こんなに嬉しいことはなかった。
会社ではフザケて冗談を言ったり、面白可笑しく過ごせるようになった。
これはもちろんメンターである取締役のおかげだと思う。
このメンターへの思いはこちらに書いているので、興味がある人は読んでみてほしい。
この会社で仕事するようになって半年が経った。
取締役は会社の経営の仕事に専念出来るようになり、自分もいつの間にかイベント担当プランナーだけではなく、全てのプランナー業務を一人で回せるようになっていた。
プロデューサー兼ディレクターとなり社員化
半年経った頃、取締役から会議室へ呼び出された。
「このタイトルをこの会社で運営引き継ぐから、プロデューサーをやってほしい」
この半年の自分の働きぶりが認められて、一本まるまる運営してよ。
そういう話を親会社からされたそうだ。
プロデューサーといってもディレクターも兼務なので、引き続きゴリゴリ現場仕事をすることに。
それと同時に個人事業主ではなく、正式に取締役の部下として社員化されることになった。
こうしてプランナーとしてジョイン半年でソシャゲのプロデューサーになった。
- デバッガー半年
- カスタマーサポート1年半
- ディレクター兼プランナー1年
- プランナー半年
計3年半で、それまで工場で派遣社員したりコンビニで働いていた25歳だった何もなかった男は、仕事の面白さを知り、ソシャゲのプロデューサーになった。
なお、この後すぐに新イベントの企画~リリースし、大きな成功を収め、1年後にはもう1タイトルのプロデューサーも兼務することになる。
前職と同じミスをしないように、チームメンバーとのコミュニケーションも頑張ったなぁ…(笑)
気づけば役員以外自分一人しかいない会社も、50人を超える規模に。
オフィスも間借りから、引っ越し。
ベンチャーの成長をその場で体感することになった。
この時の経験がたまらなくて、実は今も別の会社ではあるが支社の立ち上げ責任者として奮闘している。もちろんゲーム企画職として働きながら。
ちなみにコミュ障は治ってないものの、コミュニケーションは引き続き頑張っていて、今では自分が以前辞めた会社の部下や同僚からも仕事や転職の相談が来るほどに。
結論:未経験でもゲーム業界に入れるし出世できる
結論として、「未経験でもゲーム業界に入れるし出世できる」。
高卒でも、未経験でも、中途でも、入りはバイトでも。
これは自分の経験が実証していると思う。
なお、自分は終始地方都市で生活しているため、東京で挑戦したい人はもっとチャンスも会社も多くあることだろう。
プロデューサーという肩書は凄そうだけど、コンシューマを除いても何百タイトルものゲームが開発・運営されている。
そのタイトルの数だけある肩書だと考えてもらっていいだろう。
そして何百タイトルもゲームアプリがリリースされるようになったように、市場の広がりと共に、人材が必要とされている。
自分が入れたようにデバッガーやCSは未経験でも比較的採用している職種だ。
中途でゲーム業界に入りたいと思っている未経験者が狙いやすいと思う。
もちろん他の職種でも未経験可で募集していることはあるだろうが、難易度はグッと上がっていく。
例えば、プランナーを目指すならQA・デバッガー、カスタマーサポートからゲーム業界入りして、そこで頑張って評価を獲得してから、プランナーに抜擢してもらうのがRPG的なレベルアップの道のちで現実的。
自分自身、プロデューサー時代に特にデバッガーからプランナーへ引き上げた人は何人もいる。
また、中途採用もよくやっていたが、未経験でもシッカリと社会人経験のある人は一定の常識があったり、フルタイム頑張ってくれそうだなとかそういう印象で採用したりも。
年齢や経歴を言い訳に諦めてしまうより、まずは飛び込んでも良いと個人的には思う。
芸術家 岡本太郎の言葉にこういうものがある。
「人間にとって成功とはいったいなんだろう。
結局のところ、自分の夢に向かって自分がどれだけ挑んだか、努力したかどうか、ではないだろうか。」
この言葉が好きで、努力、下準備なんてものは後回しにして、まずアクションを起こすことを大事にしている。
自分がフリーペーパーでこの業界に飛び込んだ時に比べたら今はゲーム業界の求人情報も収集しやすい時代になったしね。
まぁなんかキレイにまとめた文章にはなってないけど、何かしらの参考になれば幸いかな。
スポンサーリンク